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異国のおもいで便り -その1-

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上海時代の友人から、
頼んでおいた小包が、今朝届きました。

当時親しんでいた食品がたくさん詰まった封を開けた瞬間、
思い出がいっきに甦りました。
それも、具体的なできごとや風景ではなく、
もっと感覚的な生活の断片が、いくつもいくつも。

住んでいたアパートの階段の湿り気とか、
休日の夕方にベッドから起き出したときの部屋の暗さとか、
深夜にタクシーを走らせるときの車内の沈黙とか、
いつも遠くに聞こえている工事中の音とか、
ひとりで歩く夜の大通りの、ふとしたわびしさとか。

なぜか思い出す断片はすべて、
じめじめと暗くて、孤独な影を伴っているのですが、
ふしぎとそれは悲壮ではなくて、どこかここちよくて、
たとえようもなく恋しいもの。

そう、それは、
楽しいのにもの悲しくて、なつかしいのにさびしい、
過ぎし日の縁日に寄せる感傷にそっくりだってことに気づきました!

熱に浮かされたようにきらびやかな喧騒の中に
空虚やはかなさ、そしてどこか醒めた感じを孕んでいる、
上海の街そのものが、お祭り騒ぎみたいなものだからでしょう。

ひとりぼっちで、守ってくれる者もない異国の生活でしたが、
あのころは確かに、自分自身の足でしっかりと立っていた。
思い返しても、そんな自分がかつて存在していたことが、
いまの弱りきった自分には、幻のように感じられる。
あの日の生活に帰りたいな…… と、
しばし甘い悲しさを咀嚼するひととき。
また、あのころの強くて不敵な自分は、とりもどせるでしょうか?

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