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情熱の炎をかき消さない情熱

Photo 2 3

「もともと金魚鉢のなかにいたわたしが、
ちょっと大きな水槽に飛びこんでみたら、
いつのまにか大きな海原に泳ぎだしていた」

NHKの番組で、料理記者の岸朝子さんが語られたことばです。

3人の子のいる家庭(=金魚鉢)で、
大きなおなかを抱えながら末の子の出産を待つ岸さんが、
「生活の足しに」とはじめた料理記者。
思いもよらぬ世界の広がり(=海原)に、
生活の足しどころか、
職業人生をかけてのめりこむその様は、
リビングでのうのうとコーヒーを啜りながらTVを眺めるわたしに、
「ぐずぐずしないで、はやく行動しなさい!」と訴えてきました。

女性の社会進出も珍しかったであろう当時、
4人のお子さんを育てながら、
勤務のハードな出版業界の職を、
32歳という遅咲きのデビューでスタートし、
そんなハンデがありながら、
「楽しくてしかたない」と数十年も走り続けられたガッツ。

料理書籍の世界で現在では当たり前になっていることが
当たり前でなかった当時、
さまざまな試行錯誤を重ねて自らスタンダードを確立され、
しかも担当書籍が軒並みロングセラーの大ヒットを飛ばす情熱。

通信手段も電話くらいしかなかった当時、
卵料理の本を出版するに当たって、
みずから訪ね歩いて300種類のレシピを集め、
さらには養鶏農家にまで出向いて、
生みたての鶏卵の鮮度を調べるくだりは圧巻でした。

「料理が好きでたまらないから」と
ご本人はさらりとおっしゃっていましたが、
その人並みならぬ「好き」のパワーこそが
なにものをも凌駕するすごさ。

わたしが「趣味は料理です」なんて言っているのとは、
まったく次元の異なる話。

「好き」と言い放つからには、
「好き」のことばに恥じないように、
責任もって「好き」をまっとうすること。
「好き」でい続けるためには、
ありとあらゆる工夫と努力と、
情熱を燃やし続けるエネルギーが必要なこと。

わたしは、この1年でもう半年もの時間を
病気の治療に充ててしまいました。
いえ、もしそうでなくても、
とても岸さんのような、
密度のある過ごしかたをしていたとは思えません。
「好き」なことをあきらめる潔さもないくせに、
すっぽり飛びこんでいく覚悟もできないまま、
もう何年も過ごしています。

今年もあと2ヶ月、
まずは助走からエネルギーを蓄えて、
飛躍できる来年を迎えられるよう、
きちんと作戦を立てなくては、と思いました。

【写真】餃子は、その「おいしい一瞬」のために、
粉をふるい、粉をこね、皮をのばし、餡を包み、
たくさんの時間をかけるわけです。
わたしに必要なのは、そういうことかもしれません。

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