マカフシギ箱庭療法
今週の診察後、主治医の先生からおもむろに、
「今日、5分くらい時間ありますか?」と聞かれました。
ほんとうはディナーの待ち合わせがあったけれど、
先生いわく、心理テストをするというので、ガゼン興味津津。
5分ならダイジョウブだろう、と気軽に受けてみることに。
「では、こちらへ」と案内され、別室に通されると……
?!?!?!
壁面いっぱいに置かれた棚には、
ちいさなフィギュアがぎっしり。ここは先生の趣味部屋デショウカ?!
もちろんそんなことはなく、
これがうわさに聞く「箱庭療法」なるものを行う部屋だったのです。
箱庭療法について簡単に調べてみたのですが、
箱庭療法とは、
砂を敷いた箱の中に、患者が自由に世界観を表現する療法で、
これを行う場所にはさまざまなおもちゃが準備されており、
(おもちゃは、人間や動物、植物や自動車、建物などの模型です)
砂を掘ったり盛りあげたりして自由に成型するほか、
これらのおもちゃを好きなように使って、
平たく言えばジオラマのようなものを製作する作業です。
このセラピーの目的は、
1)患者の中にある、言語化できない感情や意識を読み取る
2)無心な遊びの要素を通じて、患者のこころを癒す
ということのようです。
主治医の先生がおっしゃるには、
重度のうつ病患者にとっては、このような作業は大きな負担となり、
作業そのものを楽しむことができないということ。
気楽に楽しんでやってください、ということで、
いざ、箱庭療法がスタートしました。
わたしはこういったことには美意識が高いほうなので、
いかにディナーの約束があろうとも、
いい加減なものをつくることは許しがたいので、
けっこうはりきって作業に取り組みました。
(楽しむことよりも、義務感のほうが強かったです)
まず、あまたある種々雑多なフィギュアのなかから、
色彩的にもスケール的にも、モノ的にも、
統一感のつくれそうなものを選んでいきます。
テーマは「中国のいなか(水墨画のような景色)」に決めました。
箱の中に敷かれた砂をより分けて、
川をつくり、平地をつくり、丘をつくり、
くすんだ緑の木々を植え、陶器の民家を建て、
川には木製の橋をかけ、すれ違ういかだや船を浮かべ、
川べりでおしゃべりに興じる仙人を2人。
木の下にはあお向けに寝そべる子犬が1匹。
(これはこの地に旅してきたわたしです!)
つくり終わると、筆記シートへの記入作業があり、
自分の作業を簡単に解説します。
そこには、何を表現したかったのか、
思い通りに表現することができたか、
その他感想などを書きこみます。
さて、わたしのつくった風景は、
わたしのなかの何を示しているのでしょうか?
次回の診察で聞くのが楽しみです。
また、その際にもうひとつ知りたいのは、
なぜ、このタイミングでこの療法を行ったのか? ということ。
主治医の先生は、わたしの言語情報からだけでは、
正確な病状を読み取ることはできないと判断されたのでしょうか?
たしかに、わたしは最近の診察では
「元気です」「ふつうです」、こればかりしか言っていませんから……
ちなみに、当然のことなのですが、
この日、箱庭療法を5分で終えるなどという荒業は
わたしにはとてもやり遂げることはできず、
ディナーには遅刻してしまいました!
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